学芸員を退職後、これからの生き方を模索しています。シマを愛する←奄美⇔沖縄→の目線を通して、気ままに書いていま~す♪

by yukari-gou
 
命の次に大切なもの
本棚に並ぶ彼のノートにふと手をとってみたくなった。
それは、1冊ごとに番号がふられ、町内の集落字名が並んでいた。




末番は古仁屋ノートだ。
町誌の仕事がもう終わるといっていたので、その整理にも使ったのだろうか。

1番目のノートは図書館郷土館だ。
仕事始めの気合いが聞こえてきそうだ。

めくると古老のスケッチがあった。
道具名やその呼び名などが周囲に小さく書かれている。

調査先でひろげる彼の真新しいノートには、
すでに現地の地図や関連資料のコピーがスクラップされ、

ノートの半分ほどを埋め尽くし、分厚くなっていた。
2、3日かかる調査だと軽く1回でノートを使い果たす。

彼の頭の中は、いろんな目次がつまっていて、
あらかじめ当たりをつけた話者から、いくらでも話をきき出してくる。
尽きることのない泉のように。

「いろんなノートを試してみたけど、これが一番ぴったりくるな」
といっては、罫線のはいった統計ノートの行間を、ミミズがはう文字で埋めていた。

そんないつもの姿が思い浮かび、ふと涙がこみ上げてきた。
ノートは誰でも読めるようにして、自分がやってきた仕事の整理に入るよ。
前の晩、彼は吐き捨てるようにそういった。

怒りで眠れないほど思い悩んでいた彼は、
いよいよ外に向かって問いかける決心を、
その時していたのかもしれない。

地域で生き、地域に学ぶことを生きがいにし、
挑戦してきた彼の思いを遮るものに、立ち向かうために。

学芸員がつぶされていく姿を見るのは、もうたくさんだ。
生きて死んでいく彼の姿は、もっと見たくない。
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by yukari-gou | 2007-03-19 22:34 | つぶやき
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