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学芸員を退職後、これからの生き方を模索しています。シマを愛する←奄美⇔沖縄→の目線を通して、気ままに書いていま~す♪

by yukari-gou
 
新奄美市に新星登場!
3月20日、奄美市が誕生しました。
旧笠利(かさり)町、旧住用(すみよう)村、旧名瀬(なぜ)市からなる飛び地合併です。

いったい何が変わるのでしょうか?
多分、普通に生活しているだけなら、あまり実感がわかず、行政だけが、ただバタバタしているように映るかもしれませんね。



何の変わりもなく、新奄美市へシフトしていくかのように見えたのはつかの間。
なんと! 新市長へ立候補を表明したのは、加計呂麻(かけろま)島出身の叶(かのう)よしかずさんという拓殖大学の現役教授なのです。
辞表を出しての決意なのです。

地元のご出身といっても、長年、島に住んでいなかった方が、はたして市長という大役をなしえるのことができるのか?
報道をみても、正直いって初めは、私も非常にクールでした。

先日、その方のお話があるというので、集会へ出向いてみました。
これまで、日本の代表的なエコノミストとして、奄美への政策提言をおこなってこられただけあって、奄美の現状がどれだけ深刻なのか、統計で客観的にとらえた状況を、私たちにわかりやすく話してくださいました。

分析あってこそ、これから奄美がどのように歩んでいくべきか、道筋がたつのです。
これまでは学識経験者として提言されていたことを、今後はリーダーとして実践し、故郷の奄美へ恩返しようとするという生き方に、心からただ素直に感動を覚えました。

まさに今、沈みかかった奄美を目の前にして、すぐに実行しなければ、本当に沈没してしまう。
奄振はもう本当にあと5年で切れてしまう前に、この4年間で、独り立ちしていく体力をつけていいかなければならないことを熱く語ってくださいました。

島の地元では、自営業をなさっておられる方ほど、強くその危機感を肌身で感じていたはずです。
次々と店がたたまれ、自殺者まで出ているような状況を、じかに見てきた方からお話を聞きながら、どれだけの人がその痛みを共有できてきたのかと思うと、とても胸が痛くなりました。

叶さんについて、何より最も共感したことは、

1.奄美の現状に対して危機感をもっていること、
2.名瀬のまちも他の小さな島々や農村地域があるからもっているのだという、群島全体のリーダーシップとして奄美市を意識していること、

ですが、これは、と思ったことは、
3.奄美が全国のモデルとなって視察旅行者を増やすこと、
というものでした。

これってあらゆる面で、奄美の弱みを強みに変えていこうとする、攻めの戦略だと思います。
顧客である住民サービス、
社員である行政職員の人材革命、
群島ぐるみで外貨をかせぐ。

トップというものは、それに尽きると思います。
名瀬の商店街だけのためにやるのではないとも断言しておられました。

叶さんがこの日、提言された様々なことには既知の事実もあり、すでに試験運用をされているものもありますが、これらを持続可能な実益につなげていくためには、今後、現場の声をどれだけくみとれるか、そして様々な企業や組織との交渉術の手腕も問われてくるかもしれません。

今は島の中だけの利権に足元を奪われることなく、さらなる大きな外海の壁を乗り越えるために、島がひとつにならないといけません。
住民が大きく二分されてしいまうことほど、自分たちが大きく傷つくことはありません。

今回の動きをみていて、まるで基地問題について、党派や思想を超えて団結しようとする沖縄の姿とも少しだぶって映りました。
この大切な時期にこそ、奄美には新しい風が必要なのかもしれない、と思いました。

ちなみに、叶さんが東京都でお住まいになっておられる三鷹市は、全国的にも民度の高い自治体で、最近、沖縄市では三鷹市からパネリストを招いたシンポジウムが催されたばかりです。
そんな三鷹市住民の感覚をもった市民派リーダーのもとで働く行政職員の姿、そして一市民として生活きることを、想像してみたりするのです♪

さらに今後、まちのビジョンを示していくための様々なシンポジウムなどで、学者経験を活かして自らコーディネートし、パネリストとして島のビジョンを熱く語れるマルチなお姿、かっこいいと思いませんか?
今回のビジョンを少しきいただけでも、もう私自身のビジョンに置き換えることができ、何だかワクワクしてきましたよ!

今後、団塊の世代が定年を迎える時期にあたり、このような奄美出身の先輩の勇気に感謝するとともに、私たちも夢と希望をもつことができるのです。
そして、これに続く波も、実はまた期待しているのです……。

と、勝手な私見でした(^^;)
by yukari-gou | 2006-03-28 01:53 | 島をカタル
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